研究テーマと目的
研究テーマ「移民・難民第二世代の教育から労働市場への移行-実態調査と課題解決-」
移民・難民第二世代(両親または片方の親が外国出身で、日本生まれ、または 10 代前半までに来日した若者)は大学卒業後の就職活動で様々な背景により日本人の学生と比較して苦労しており、教育から労働市場への移行に課題があります。
特に、1970 年代以降に渡日した難民や 1990 年以降に渡日した外国人労働者等の子どもたちにおいては、日本生まれ、あるいは幼少期に渡日し、日本の教育を経験していたとしても、本人が望むキャリアの実現は難しいのが実情です。
これまでの移民・難民の教育研究においては、不就学や学業達成、進路形成等が主な問題関心であったため、就職の問題を取り上げたものはほとんどなく、未だ移民・難民第二世代の教育から労働市場への移行を何が阻害しているのか、また、なぜ・どのように阻害しているのかに関する実態調査は行われていません。
本研究の目的は、移民・難民の第二世代の若者の教育から労働市場への移行、なかでも大卒労働市場に着目し、教育から労働市場への移行に関する課題を明らかにすることです。
共同研究者
・髙橋 史子(東京大学教養学部附属教養教育高度化機構社会連携部門・特任講師)
・額賀美紗子(東京大学大学院教育学研究科・准教授)
・徳永智子(筑波大学人間系教育学域・助教)
・龔 軼群(認定 NPO 法人 Living in Peace・代表理事)
研究手法
1.就活を終えた学生への調査:
日本で就職活動をした経験のある学生を対象に、就職活動の体験に関するインタビュー調査を実施
2.企業調査:
定量調査:新卒採用方針および外国籍の採用実態に関するアンケート調査を実施
定性調査:外国人材の採用・エピソードに関するもの、採用や育成の課題に関するインタビュー調査を実施
研究成果
研究の成果は、解決策の提案を含む成果とと今後の展望について議論する公開シンポジウムを開催します。
●公開シンポジウム:5/22(日) 14:00-17:00「移民・難民学生のキャリア形成と共創する社会へ -ダイバーシティ&インクルージョンから見る日本の雇用システムの課題とアプローチ-」
●調査報告
今後は、研究者による学術論文や学会発表にて発表を行う予定です。
学術の領域において、今後の社会学・教育社会学学研究の発展に寄与するための重要な基礎的成果となることが期待します。
支援等の実践領域では、日本の企業で活躍することを期待している移民・難民第二世代の若者向けの就活支援や、人材の多様化を目指す企業向けの支援事業、社会啓発に活かしていきます。
関連の取り組み
・東京大学とのゼミ企画・実施: 多文化社会の共創 2020年度A2ターム:―移民難民第二世代の就職―