可児市多文化共生センター訪問レポート「地域の外国ルーツの子どもたちの現状と課題を考える」

SNSでこの記事をシェア!
「フレビア」とは、friendship(友情)と civilization(文化)から綴った造語で、友情の精神で親和やかに交じり会っていけば、お互いの文化は徐々に理解され深まっていくとういう意味が込められています。

2024年12月22日、Living in Peaceでは、岐阜県可児市にある「可児市多文化共生センター フレビア(NPO法人可児市国際交流協会)」を訪問しました。

2024年8月23日都内で行われた、外国ルーツの子どもたちをテーマにした映画「Journey to be Continued-つづきゆく旅-」の上映会をきっかけに知った現地の活動について、支援や課題をより深く理解し、私たちの活動のヒントとするための訪問です。

本記事では、訪問を通じて得られた現状や示唆についてご報告します。

フレビアはJR可児駅のそばにあります。

可児市における外国にルーツを持つ市民の現状

可児市では地域住民の約9.18%を外国籍の方々が占めており、全国平均の約3倍にあたります(2023年12月時点)。この背景には、地域で働く外国人労働者とその家族の呼び寄せがあります。彼らは、地域経済の担い手として重要な役割を果たしているとのことでした。

外国ルーツの子どもたちが直面する課題と取り組み

10代で来日する場合は、日本語習得に加え、中卒認定試験や高校受験といった進学面の壁に直面しやすいです。日本生まれや幼少期に来日して、日常会話が流暢な子どもたちでも、授業を理解するための学習言語が十分に習得できていないことによる学力の遅れが見過ごされる場合もあります。

また、外国ルーツの家庭の多くは複数世帯で暮らしており、家庭での学習環境を十分に整えることが難しかったり、日本の教育文化に不慣れな保護者の場合、家庭での学習支援に十分関与できないケースも見られます。

加えて、現状、地域の外国ルーツのコミュニティの多くの大人たちは派遣社員や技能実習等で働いており、子どもたちは、将来の多様なキャリアの可能性をイメージしづらい場合も多くなります。

これらの課題は、子どもたちが進路選択において、自信を持てなかったり、希望する選択ができなかったりなどの影響を与える可能性が大きいと感じました。

可児市国際交流協会では、有償ボランティアによる日本語教室や、SNSでの情報発信など、地域のニーズを踏まえて様々な支援活動を行っていることを伺いました。

子どもたちに対しても、小学校就学前準備から学校現場と連携した支援、そして外国ルーツの子どもたち同士のつながりを作ったり、卒業後のキャリアを描く力の養成などにも取り組まれています。

フレビアでおこなわれる日本語レッスン

Living in Peaceの今後の取り組みに向けて

訪問を通じて、外国ルーツの子どもたちにとって「つながり」が限定されることが大きな課題のひとつではないか、と感じました。

日本語が不十分だとクラスメイトや友達と十分につながれない、母国の就学状況や学習言語の習得遅れによって進学できず学校につながれない。

地域社会でのつながりづくりはもちろん、それ以外にも、マイノリティの様々な形に出会うことや、多様なキャリアの選択肢とその実現プロセスを知ることは、子どもたちが視野を広げる一助になると考えます。

Living in Peaceでも、難民背景を持つ子どもたちが、より様々な将来像を描けるような支援を模索していきます。

仲間になる >
寄付する >
仲間になる >
寄付する >

SNSでこの記事をシェア!