LIP-Learning2023のプログラムが終了しました!

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学習支援プログラムLIP-Learning(日本語教育機関と連携した、難民の方々への日本語学習支援)の第5期(以下、「LL2023」)が無事終了いたしました。

19年度に5名を対象としてスタートしたLIP-Learningは、2023年の第5期までの間に累計105名まで支援対象者を拡大することができました。

皆様のご支援のおかげで、開始当初と比べて着実に前進することができました。

今回の記事にて、皆様にLIP-Learningの成果と現状をご報告いたします。

LL2023の改善事項

第4期プログラムまでは、自立において最も優先度の高い就労機会獲得を目指す方を優先的に対象としていました。しかし、結果として男性の受講者が大半を占めてしまうというジェンダーギャップに課題を感じたため、第5期は生活向上のための社会統合を目指す方も奨学生の対象とすることとし、結果として約半数の方が女性の受講生となりました。

また、より多くの方への支援を提供するために、新たにNPO法人にわとりの会と連携を行い、生徒の日本語レベルに応じたクラスの振り分けを行いました。

LL2023の実施状況

LL2023では34名の方が奨学生として選ばれ、34名全員が無事に卒業を果たしました(修了率100%)。

慣れない異国での仕事・生活の合間を縫って週2回の授業参加・授業後の課題提出をやり遂げていただいたこと、LIP-Learning チームとしても非常に嬉しく思います。

1年間の途中で日本語能力の上達が見られた方には、上級クラス作るなど受講生の要望に柔軟に対応した結果、終了者全体での課題提出率平均しては77%、出席率平均は79%となり、どちらも100%の完了率を達成した方もいます。

真面目に授業に取り組んで頂いた結果、JLPT(日本語能力試験)のN2に1名合格しました。

提携している日本語教育機関の方々のコメント

LIP-Learningは、NPO法人TIJ思徳会とNPO法人にわとりの会と連携し、オンラインでの日本語学習を提供しています。

日本語を教えていただいた先生方からメッセージをいただきましたので紹介いたします。

NPO法人TIJ思徳会の先生方からのメッセージ

各クラス一週間に2回のレッスンを2人の講師で担当していますので、一年間毎週オンラインですが、顔を合わせることになります。毎回日本語の学習状況だけでなく、体調や生活環境、お仕事の様子などつつがなく過ごせているか様子を見ながら行っていますが、学習者の日本語教育支援に携われることにやりがいを感じると共に、温かい繋がりを感じることができて幸せです。

学習者の日本語力向上とご家族を含め、誰もが平和で穏やかに過ごせる日本、そして世界であってほしいと願うばかりです。

(市川 さゆり様)

レッスンを通して学習者の方々の体験されたことや抱いていらっしゃる想いをお聞きするにつけ、人として考えさせられることがたくさんありました。平和で安心して生活ができ、理不尽なことのない社会を願わずにはいられません。

先日修了した学習者から「I have enjoyed being your student and learned a lot from you.  I have received a lot of respect and love from you.・・・」というメッセージをいただき、「こちらこそ」という感謝の思いと幸せを感じています。

(阿字地 道代様)

LIP日本語コースの学習者の皆様は、それぞれ訳あって、国を離れて日本に来るという大きな決断をした人たちです。毎週の日本語レッスンで、学習者たちが真剣に日本語を学んでいる姿に接するたびに、私も日本語教師としてできるだけのお手伝いをしようという気持ちを新たにします。

仕事をしながら、そして子供を育てながらの忙しい生活の中で、よりよい生活をするために頑張っている彼ら彼女らには、ぜひ日本語が上手になって日本になじんで日本を好きになってもらいたい、そして今もなお続いている国家間紛争や内戦が早く終結して、平穏な生活がもどることを願っています。

(広瀬 万里子様)

担当したクラスが終了しました。2年目の学習者の方にとっては2年の学びが終了したことになります。1週間に2回、1時間ずつの授業ですが、1年を振り返ると、それぞれの方の日本語の力の進歩に、小さな努力をこつこつと続けることの力を改めて感じます。

仕事や家事、お子さんの世話に追われる時間の中から捻出した貴重な時間、素晴らしい集中力で授業に参加します。授業ごとに出す課題、中間、期末テストもきちんと提出して前向きに学ぶ姿に、何年もさまざまな学習者に接してきた私も胸を打たれる思いがしました。

この学びがそれぞれの方のこれからの日本での生活の道を切り拓く鍵となることを心から願っています。

(渡部 尚子様)

NPO法人にわとりの会の先生方からのメッセージ

LIPのプログラムは日本語学校に通うことができない方々に対し、無料で日本語を教えるという大変意義深いものです。

この取組によって受講生の皆さんは生活がとてもしやすくなったと思います。また、指導をしている私たちは、受講生の皆さんの日本語能力の向上を見ることができ、たいへんうれしく思っています。

事情をかかえた方々に指導するという機会は大変貴重なものです。母国を離れてからこのプログラムに出会うまで、また、今現在も厳しい状況があるにもかかわらず、受講生の皆さんは明るくやる気に満ちていました。

みなさんの学習に対する意欲や、新しい事柄を学ぼうという姿勢や技術は大変優れていると感じました。

にわとりの会の提供した日本語学習のための授業内容や教材がこれ方もみなさんのお役に立つことを心から願っています。

(丹羽典子様)

1年間このプロジェクトを続けてこられたのは、支援してくださった皆様のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。

難民の方々が日本で活躍し、この社会がより良いものになることを願っています。

(YH様)

アルムナイ(卒業生)交流イベント

受講生同士、そして日本人であるメンバーとの交流を深めるため、対面でのアルムナイ交流イベントを行っています(昨年度実施の様子はこちら)。今年度も3月に開催する予定です。

LIP-Learning 第6期がスタート!

第5期プログラムの修了と入れ替わる形で、既に第6期のプログラムがスタートしています。第6期では前回とほぼ同規模の33名の方を支援することに決定しました!

年を重ねるごとに規模も拡大し、その中で課題に感じることも増えておりますが、日本語教育機関との連携強化やさらなる運営メンバー拡充を通して、皆様からいただいたご支援を受講生の方へ最大限還元できるよう努めてまいります。

引き続きLIP-Learningのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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