
いつも温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。
私たちLiving in Peace(以下LIP)では、社会的養護下にある高校生を対象に、自立に向けた準備としてのお金の教育講座に1年間取り組んでまいりました。
2月、19名の高校生とともに1年間の講座の振り返りを行い、修了式を執り行いましたので、ご報告申し上げます。
第6回お金の教育講座の内容
- 「勤労学生控除と奨学金130万円の壁」の説明:
修了式に先立ち、「勤労学生控除と奨学金130万円の壁」について情報提供を行いました。
現在、国会でも話題になっている「年収103万円の壁」は、奨学生にも無縁ではありません。
頑張って働いているのに、年収が103万円を超えたために奨学金が減少し、生活が苦しくなる可能性があることへの注意喚起と、勤労学生控除についての情報提供を行いました。
具体的には、年収100万円を超えた場合、勤労学生控除を申請することで、年収130万円までは奨学金を減額することなく受給できることを伝えました。
- 1年間の振り返り:
また、「これまでのカリキュラムの中から、特に重要なポイントを振り返る時間」を設けました。その際、オンラインでも楽しみながら学べるよう、クイズ形式や掛け合いを交えた工夫を取り入れました。一例をご紹介します。
先生役:第1回の「お金の危ない罠」の講座で学んだことを復習しよう。
「○○払い、ダメ絶対」。この○○に入るのは何かな?
生徒役:「リボ払いです!」
先生役:その通り!これは何回も講義で触れたね。それで言うと、リボ払いがなんでダメなのか覚えているかな?
生徒役:金利が高いからです!
先生役:そうだね。金利が高い上に、月々の支払いが少ないため、借金をしている感覚が生まれにくいという問題もあるんだ。
実際に30万円のバイクを買った場合、15%の利息で55万円を支払うことになる例も見たよね。
今はさまざまな名前で「後払い」する仕組みがあるけれど、どれも金利がかかるものだから、要注意だよ!
振り返りでは、このような先生役と生徒役のLIPメンバーの楽しいやりとりを通じて、お金の教育講座について復習し、理解を深めることができました。
振り返りを進めるうちに、LIPメンバーの掛け合いが登場するタイミングを示すキャラクターが画面に表示されると、オンライン越しでも、子どもたちが次はどんな掛け合いが始まるのだろうとワクワクしている様子を感じ取ることができました。
3. 修了式:
修了式では、LIPメンバーで作成した「知っておきたいお金のヒント」のガイドブックや、お金に関して迷ったときに参考にしてほしい本などをプレゼントしました。また、児童養護施設の先生方から子どもたちに向けたメッセージも贈られました。この講座を経て、一人ひとりが新たなチャレンジに進んでいくことを思い、私たちも胸が熱くなる瞬間でした。
1年間、先生方には子どもたちへの受講の動機づけと環境づくりのために多大なサポートをいただきました。また、講義後には毎回感想やご意見をお伺いし、一緒に講座を作り上げてまいりました。
<子どもたちからの感想> ※一部抜粋
・自分の今後の生活にとって本当にためになる講座で聞いていて楽しかったです。
・このプログラムのお陰で多くのことを知ることができ進学後も不安はもちろんありますが学んだことを忘れずに頑張っていきたいと思います。
子どもたちが社会に出ていく中で、このお金の教育講座で学んだ「お金との向き合い方」が自立への一助となることを願っています。そして、このような学びの場を提供できるのも、皆さまの日頃からの温かいご支援のおかげです。改めて感謝申し上げます。
お金の教育講座は、子どもたちにとって難しい印象が先行しがちですが、これからも少しでも楽しく印象に残る講座を届けていきたいと考えています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。