6月度おしごとリップ開催

私たちLiving in Peaceは、児童養護施設で生活する中学生から高校生の子どもたちに、世の中の様々な仕事を知ってもらう機会として、キャリア教育「おしごとリップ」を行っています。

関西おしごとリップ

6月9日、2024年度2回目となる「おしごとリップ」を開催しました。今年度から生駒学園と高鷲学園の2施設合同で実施しており、過去最多15名の子どもたちが参加してくれました。

今回は「モノ以外のサービスを提供する業界」から、注目のeスポーツ業界を取り上げ、プロゲーマーのお仕事に関する講義でした。講師は、本業を持ちながら、プロゲームチームで活躍されているまさ吉さん(オリジナルのマスクが印象的です!)。

まずは、プロゲーマーとはどんな人?というお話からです。特定の団体からプロライセンスを渡されたeスポーツ選手のことをプロゲーマーといいます。現在日本には322名いて、大会参加、イベント参加、動画配信といった仕事をしています。

「ストリートファイター6」の世界大会の優勝賞金はいくら?というクイズが出されると、子どもたちの意見は割れます。正解は、カプコンプロツアーでは1億円、EVO JAPANでは100万円。大会の開催数が限られる中、非常に厳しい競争を勝ち抜いたとしても賞金だけで生計を立てるのは厳しい実情が紹介されました。賞金以外に、イベントに参加して得られる出演料や動画配信による収入も多くはありません。専業プロと兼業プロでは、圧倒的に兼業プロが多いそうです。厳しい世界だからこそ、求められる能力は「努力、折れない心」「心からゲームを楽しめる、好きという感情」などであるとの説明を受け、子どもたちは頷きながら聞いていました。

子どもたちにお仕事を体験してもらうワークでは、ゲーミングパソコン6台を使用し、車を操作してサッカーをする「ロケットリーグ」というゲームを行いました。3対3のチーム戦で、チーム内で助け合ったり、アドバイスし合ったりしながら、操作に慣れてくると続々とゴールが決まります。プレイヤーを応援したり、ゴールが決まれば歓声と拍手が起こったりと、eスポーツのよさが感じられる時間になりました。

続いて、講師に挑戦したいと名乗りを上げた子どもが「ストリートファイター6」でプロと対戦!

挑戦者の子どもが、もう少しで勝てるかもしれないと思ったところで「足の震えが止まらん!」と叫んだのも束の間、講師の必殺技で急展開でのKO。プロのレベルの高さを見せつけられました。

淡々とプレイしているように見えた講師のまさ吉さんですが、終了後は「プロでもみんなの前でプレイするときは手が震える」と話し、メンタルの強さも大事であることがわかりました。

講義の最後には、「好きを仕事にすることはとても楽しいこと」とのメッセージ。本業を持ちながらe-スポーツ関連の業務を行い、プロゲームチーム所属に至るまでの、人との縁や自分自身の努力について話してくださいました。質問コーナーでは、子どもたちから「ゲームをやりたくなくなることはないの?」「モチベーションが下がったらどうしてるの?」といった質問が続き、ひとつひとつ丁寧に答えて頂きました。

今回の講義を受け、子どもたちからは「とことん好きじゃないとやっていけないとわかった」「あきらめない気持ちが大切とわかった」「いろんなことに挑戦して好きなものを見つけたい」といった感想が寄せられました。

東京おしごとリップ

6月23日、今期2回目となるおしごとリップを開催いたしました。参加者は、筑波愛児園、クリスマス・ヴィレッジに所属する中高生11名です。

今回は「モノを販売・仲介する」業界を取り上げ、そのなかでも「ファッション」に関わるお仕事についてLIPメンバーが講師となり、講義を実施しました。

生活必需品である衣料品とファッションの違いに触れるところから始まり、ファッション業界の代表的な職種の紹介や、有名ブランドのファッションショーを動画で流してもらいながら、最先端のトレンドをキャッチして、ファッションを日本中に届ける仕事の世界を勉強しました。

講義のあとはワークです。今回はバイヤーのおしごと体験にチャレンジしてもらいました。

ミッションは、いつも単品で買うお客さんが、セットで購入するような商品を買い付けること。

子どもたちは3チームに分かれ、アイテムやカラーの売れ筋データや、夏という季節に合うかどうかなどを考えながら、数ある商品カードからメインの商品を選んでいきます。そして、お店のレイアウトが書かれた模造紙に選んだ商品を並べて、「商品をどのように並べるとお客さんがセットで買ってくれるだろうか」「こんな作戦でお客さんを集めよう」などと話し合いながら、100万円の予算のなかで買い付けを行いました。

難しい内容ながら、チームで力を合わせて1つのお店を完成させたうえで、各チームごとに買い付けのポイントや工夫、販売促進の為のアイデア等を発表してもらいます。子どもからのアイデアは、店舗の詳細な動線設計・他店との差別化・マネキンの活用など、柔軟かつ考え抜かれており、大人たちは驚きと関心の気持ちでいっぱいになりました。

ワーク終了後は、講師から、学生時代、海外での仕事、会社での気づきや学びを踏まえて、「好きを仕事にすること」についてのお話をしていただいて終了です。

最後に子どもたちから、ファッションに関する質問や講義の感想を話してもらいました。講義のポイントが、ファッション業界の面白さが子どもたちに伝わったようです。

今回は数ある中の1つの業界の紹介でしたが、今日得たことが、これからに役立てたり、きっかけになると幸いです。

<子どもたちの感想> ※一部抜粋
・とても楽しかった。ファッションについてこれからは少し考えて服を着てみようかな。
・ワークでそれぞれのチームが発表して、お店の配置だけでもいろいろな意見がでたことが面白かった。考える人が変わると、お店の雰囲気もがらりと変わるんだと思った。
・好きを仕事にすると、休日と仕事の境目がわからなくなるという新たな気づきを得た。

私たちLiving in Peaceは、子どもたちのキャリアに対する意識向上に少しでも貢献できるよう、キャリア教育「おしごとリップ」のプログラムを心を込めて届けて参ります。

今後とも、皆さまのご支援を賜りますようどうぞよろしくお願いいたします。

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