Living in Peaceでは、社会的養護下の子どもたちが、今後の人生に必要なお金の知識を身に着けることにより、生まれ育った環境に関わらずもっと自由に生きる、というゴールを達成するために、お金の教育事業を行っています。
第5回「家計の『計画』を立てよう」を開催いたしましたので、ご報告いたします。
講座の内容
前回の第4回「家計簿をつけてみよう~毎月の支出を考える~」では、①実際の生活ではどんな項目に、どれぐらいお金がかかるのか、②収支のバランス、③生活する上で欠かせない項目について伝えるとともに、家計簿をつけることの重要性について学びました。
今回は、前回に引き続いて、「何のために家計簿をつけるのか」を学んでもらいます。具体的には、自分らしい予算を作ること・家計簿を振り返ること・予算を正確に作ること、に特に焦点を当てて伝えました。
ワークでは、予算を正確に作ることに関連して、自分が今使っている携帯電話料金(スマホ代)を確認したうえで、新しい契約に切り替えるシミュレーションをしてもらいました。このワークにより、自分の生活にあった予算を考えられるようになることを目的としています。
今回一緒に勉強したこどもたちは、「物心がついた時から世の中にスマートフォンがある」という、スマホネイティブ世代です。今回のワークを通じて、LIPメンバーがこの世代のスマホ観に驚くこともありました。
実生活では食品をコンビニで買うか・スーパーで買うかに始まり、賃貸の仲介手数料の相場など、不必要な出費を抑えるための細かい情報が多く点在しています。携帯電話料金はその一つですが、アンケート結果ではこうした情報を自ら探し出すことの大切さに触れられたものもあり、手応えを感じました。
<子どもたちからの感想> ※一部抜粋
- 今のスマホが買えたのは、食費や衣類費などはすべて施設が負担してくれていることだと改めて気づくことができました。自立した後のプランは施設に頼ることができないので、自分でいろいろと調べて考えようと思います。
- 機種変する際などよく考えて計画を立てることが大切だと改めて知ることができた。
次回は、これまでの講義の振り返りと修了式を行います。約1年間に渡って平日の夜にもかかわらず積極的に参加してくれた子どもたちに、メンバーから「ありがとう」の気持ちを伝えるとともに、これまでの講義を振り返って、「お金の使い方を考えることで自分らしく生きる」という講座全体のメッセージを伝えることができればと思っています。
今回講義に参加してくれた子どもたちの多くは、この3月で施設からの退所を予定しています。そうした子どもたちがフレッシュな新生活を迎えられるよう、最後まで努力して参ります。