LIP-Learning2020 受講完了率83%
オンライン授業の形式を改善したことで、19年度は60%であった受講完了率が、20年度には83%まで向上いたしました。
19年度はオンラインで受講生が授業を選択するいわゆるイーラーニングスタイルであったことから、授業の時間が柔軟である反面、受講の主体性が強く求められる点が課題でした。家庭や仕事、学業など日々の生活も多忙である難民の方々がより継続しやすい受講スタイルはないか?と模索した結果、20年度は日本語学校と連携し、オンライン授業の形式は維持しつつも、同じ先生やクラスメイトと1年間固定のクラスで学べる体制を整えました。
週2回の授業に加え、手元の教科書やオンラインで復習ができるようにしたり、宿題を提出してもらったりすることで、授業時間だけでなく、継続的な日本語学習が可能になりました。また、定期テストとそれに合わせたLIPメンバーとの面談や交流イベントを実施することにより、成果の確認とモチベーション維持、期待値のすり合わせを行ってまいりました。
そのおかげか、JLPTの受検や、就労、キャリアアップなどの具体的な目標を掲げて取り組まれる方が複数見受けられるようになりました。
日本語による卒業プレゼンテーションを実施
受講生と交流する中で多く希望があったのが「日本語をもっと話す機会が欲しい」「日本についてもっと知りたい」という、非常に向上心の高いものでした。例えば、受講生から、お互いの文化等について発表し合う機会があってはどうか?と、提案をいただき、LIP-Learning2020の「卒業イベント」として、受講生全員とLIPのメンバーで日本語によるプレゼンテーションを実施することにしました。
日本語レベルに関わらず、初級から中級の受講生まで、すべて日本語で3-5分程度の発表を準備いただきました。多くの受講生は、日本語のスライドを準備し、自身の国の文化や歴史、食事について、時には日本のそれと比較しながらプレゼンテーションを行っていました。
プレゼンテーションに対する質問や感想も受講生同士、日本語で行いました。なかなか伝わりづらい場面でも、身振り手振りやホワイトボードを使って、質疑応答も盛り上がり、予定していた時間をオーバーするほどでした。
1年前の受講開始時には、日本語で自分の簡単なプロフィールを伝えることにさえ苦労していた受講生が、ゆっくりながらも日本語でプレゼンテーションを行う姿に、私たちも1年間伴走してきてよかった!と思える時間になりました。
LIP-Learning2021スタート。3年間の合計受講者数40名を突破!
LIP-Learning2021の採用面接が完了し、19名の受講生が決定いたしました。これにより3年間を通じて累計のLIP-Learningプログラム提供者数は累計42名となりました。
11月に提携する日本語学校でのオリエンテーションが終了し、これから授業がスタートいたします。
前年度同様、受講生のフォローアップ面談・イベントも継続して計画しておりますが、21年度は学期の最初にクラスごとに目標を設計することにいたしました。
そうすることで、受講生がより意欲的かつ、継続して日本語を学べる環境を整えられるよう努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、受講生とのオフラインイベントも検討予定です。
日本語を勉強する機会を提供するだけでなく、LIPとしても、より受講生の方々との交流を増やし、些細なことも相談し合えるような関係性を構築していけるように取り組んでいきます、
引き続きLIP-Learningのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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執筆:宮本麻由(Living in Peace)