企業の文化的多様性への取り組みを讃えるCultural diversity indexI2024認証式を開催しました。

Cultural diversity index(以下、CDI)の第1回目の認証式が2024年10月21日にコモレ四谷にて開催されました。
今回は第1回目の認証式であり、15の法人が認証され、4つのグッドプラクティスが表彰されました。
エントリー法人の皆様はじめ、ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

次第の順に当日の様子をお伝えします。

次第
CDIとは
CDIロゴの発表
高橋史子准教授講演
認証書授与
グッドプラクティス表彰
総評

1.CDIとは

組織の文化的多様性(民族、人種、肌の色、文化・慣習、言語、宗教等)の包摂を評価する指標であり、取り組みの指針です。

CDIが目指すものは、言語や文化による障壁や働きづらさの解決を目指し、お互いの違いを認識し、理解しあい、尊重しあいながら、だれもが自分らしく生き生きと働ける社会の実現です。

詳しくは、こちらのCDIホームページをご覧ください。

2.CDIロゴの発表

CDIのお披露目と、ロゴに込められた思いが発表されました。

このロゴをデザインいただいた市原梢さんは、多摩美術大学情報科デザイン卒業後、企業でデザインのキャリアを積み、2023年独立し、現在はグラフィック・イラストレーション・ワークショップデザインの分野で活躍されています。

市原さんには当日会場にも駆けつけてくれました。ありがとうございます!

3.講演「日本社会における文化的多様性の包摂の現状」

高橋 史子准教授(東京大学 大学院総合文化研究科)に「日本社会における文化的多様性の包摂の現状」と題して講演をいただきました。高橋准教授は、Cultural diversity indexの策定メンバーの一人です。

CDIで重視している「平等、公平、正義」の考え方について解説する高橋准教授

国際比較の視点から、移民統合政策指標(Migrant Integration Policy Index)における日本の評価は「Halfway favourable」とされ、労働市場での統合の必要性が指摘されています。その観点から、今回のCDIに参加された企業は、日本におけるパイオニアの位置づけにあります。

今回認証企業を分析の結果、点数が高かったのは、空間利用、職場環境の相互交流、採用での応募書類の情報・評価者の多様性でした。

一方、英語以外の多言語対応、ルビ・やさしい日本語の利用、採用における目標・KPIの公開、改善プロセスの対外開示、選考プロセスのガイドラインについては整備されている企業がまだ少なく、今後の改善が期待されます。

大学では様々な文化的背景を持った優秀な学生が多数学んでおり、こうした学生たちが日本の企業でも活躍できるような環境になることは、企業にも働く人にも大きなメリットがあります。

4.認証書授与

15の認証法人のうち14法人に出席いただき、認証書を代表の龔より手渡しました。

5.グッドプラクティス表彰

続いて特筆すべき取り組みを対象としたグッドプラクティスを発表しました。
CDIの39項目のうち、今回は行動指針で1件、経営者メッセージで1件、差別禁止で2件、育成で2件のグッドプラクティスが表彰されました。

認証書を手渡したあと、壇上でスピーチをしていただきました。どれもが自社の外国籍社員の状況を踏まえて、真摯に取り組まれていることが参加者に伝わる素晴らしいスピーチでした。

グッドプラクティスの内容は以下の通りです。

部門:行動指針
法人名:株式会社東芝
取り組み:多様性に関する方針「東芝グループDEIB方針」
認定理由:企業としての判断の基軸が「東芝グループ DEIB 方針」として明確にされ、具体的な重点領域を定めている。加えて、そのメッセージが自社内に留まらず、外部にも積極的に発信している。他の法人のお手本となる好事例だと考える。

部門:経営幹部メッセージ
法人名:パーソルキャリア株式会社
取り組み:コーポレートサイトで公開しているサステナビリティに関するトップコミットメント
認定理由:持株会社(ホールディングス)体制における事業子会社では、サステナビリティに関する情報発信をホールディングスがまとめて行い、事業子会社が行わないケースも多い中、敢えて独自にコーポレートサイト内に、サステナビリティのページを作り、文化的多様性の包摂を含むダイバーシティについても経営トップの強いコミットメントを公開している。トップコミットメントにおいて、文化的多様性の包摂や関連する項目に関して具体的に直接言及している点も、2024年時点においても他企業には見られることが少なく、優れた実践事例である。本取り組みは、他社にとっても参考となるべき重要な取り組みだと考える。

部門:育成
法人名:株式会社さくらコーポレーション
取り組み:業務で必要な社内資料の多言語化対応
認定理由:新たにネパールからIT人材を従業員として受け入れた後でなく、事前に業務に必要な社内資料の多言語化を進めており、外国籍社員の育成の準備プロセスとして、これから外国籍人材を受け入れようとする他の法人のお手本になる好事例である。

部門:育成
法人名:パーソルクロステクノロジー株式会社
取り組み:外国籍社員向けにイントラサイトで提供している「日本での生活、仕事お役立ち情報」
認定理由:外国籍社員向けの「日本での生活、仕事お役立ち情報」をやさしい日本語と英語で表記した資料を独自に作成し、社員向けのイントラサイトで社員なら誰でもダウンロードできるようにしている。公私の生活に直結する、非常に具体的で有用なサポートであり、社員の立場に立った取り組みとして他の法人のお手本となる好事例である。

部門:差別禁止
法人名:株式会社さくらコーポレーション
取り組み:外国人材を迎えるにあたって実施した人権を尊重する企業責任の実践のために」をテーマにした全社員向け研修の実施
認定理由:新たにネパールからIT人材3名を従業員として受け入れるにあたって、「人権を尊重する企業責任の実践のために」というテーマでの研修やセミナーを多くの職員を対象に実施しており、事前の受け入れに向けた準備を社員一丸となって真摯に行い、仲間として受け入れる体制が整えようとしている。これから外国籍人材を受け入れようとする他の法人のお手本になる好事例である。

6.総評

代表の龔が、今後取り組みたいこととして、次のとおり宣言いたしました。

最後になりましたが、CDIのエントリーは毎年1回行う予定です。次回はより多くの企業・団体にご参加いただけるよう活動を行ってまいります。

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