こんにちは、Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。
前回は、就職活動の最初のハードルとなる書類選考について、提出書類のひとつである【履歴書】の書き方をご紹介しました。Vol.3では、企業に提出するもうひとつの書類である【エントリーシート】についてお話ししていきます。Vol.2で紹介した【履歴書】と同じく、あいまいなルールがたくさんあります。
また、エントリーシートで、最も大切な自己PR・志望動機についても詳しく解説していきます。
なお、「就職活動」は略して「就活」、就職活動中の学生は「就活生」と呼ぶことが多いため、この記事でも「就活」「就活生」と略して書きます。
◆エントリーシートとは
多くの企業が、書類選考のために、履歴書だけでなくエントリーシートの提出を求めます。エントリーシートと、履歴書は何が違うのでしょうか?以下にまとめます。
【履歴書】
主に、就活生の住所や学歴、資格などの基本的な情報を確認するための書類です。
【エントリーシート】
就活生の人柄や考え方、学歴や資格ではわからない経験などを知るための書類です。面接官が「手元の資料」として確認しながら、面接をすることも多いようです。
※何をエントリーシートに書いたか、控えをとっておきましょう。
大きく分けると【応募企業が指定するフォーマット】と【就活サイト(リクナビやマイナビなど)のフォーマット】があります。就活サイトのエントリーシートは、一度作成すると、複数の企業に同じものを提出できるようにもなっています。
ただし、応募先企業によっては【応募企業が指定するフォーマット】でなければ選考できない場合もあるため、どのようなエントリーシートの提出が求められているかを事前に確認しましょう。
自己PRや志望動機などは、履歴書と同じ内容になっても問題ありません。エントリーシートに書いた内容のまとめを、履歴書に記入するイメージで、エントリーシートから作成することがおすすめです。
エントリーシートを書き始める前に、まずは企業のリサーチと自己分析を行いましょう。
最初に、企業の【事業内容(その会社がしていること)】や、募集している【仕事内容(働く人がすること)】【求める人物像】を詳しく調べます。これらの情報は、会社説明会での資料や、企業ホームページの「採用サイト」や、就活サイトにあります。また、インターンシップやOB/OG訪問で確認することもできます。
つぎに、自分の個性や、希望する仕事内容や環境について書き出します。そして、企業の情報と自分についてマッチするところを探します。マッチするところが見つかったら、それを裏付けるエピソードを考えます。
【TIPS】自分の個性や希望条件などを明確にしていくことを「自己分析」と言います。「自己分析」の方法は次の回に詳しく説明します。
どのような質問の回答も、自身をアピールするポイントにつながるようにまとめましょう。完成したら、友人など周りの人にも確認してもらいましょう。
最後のチェックで、確認するポイントは次の2つです。
①質問の内容と回答がずれていないか
②エントリーシート全体で回答に矛盾しているところはないか
◆エントリーシートでよくある質問
エントリーシートでよくある質問は、面接で聞かれるものと似ていることもあるため、下記を参考にしっかりと回答を準備しておきましょう。
〇性格について
①あなたの長所(短所)はなんですか?
②短所を克服するために努力していることはなんですか?
③やりがいを感じるのはどんなときですか?
④ストレスを感じるのはどんなときですか? 感じたときはどうしていますか?
⑤人生で大切にしたいことはなんですか?
【回答ポイント】能力だけでなく「あなたがどんな人か?」を確認する質問です。性格・価値観と、これまでの経験(行動)が「矛盾していないか」も確認しています。
〇 経験について
①これまで最も楽しかったことはなんですか?
②これまで最も頑張ったことはなんですか?
③挫折した経験はありますか? それをどうやって乗り越えましたか?
④昔から続けていることはありますか?
⑤学生時代に頑張ったことはなんですか?
⑥最も熱心に取り組んだ授業(ゼミ)について教えてください。
⑦リーダーシップを発揮した経験を教えてください。
⑧これまでで成功した経験を教えてください。
【回答ポイント】これまでの経験をもとに、「同じように熱意をもって仕事に取り組めるか」「周りと協調して働けるか」「失敗や壁にぶつかっても、努力を続けることができるか」を確認しています。
〇キャリア・未来について
①なぜこの業界を志望しますか?
②就職活動で大切にしたいことはなんですか?
③当社でどんな仕事をしてみたいですか?
④3年後のキャリアプランを教えてください。
【回答ポイント】「働きたい」理由が明確かどうか、それを相手にわかってもらえるように伝える力があるか、を確認しています。
「企業でできること」と「応募者がしたいこと」が、マッチしているかも回答のポイントになるので、企業の下調べをきちんとしましょう。
〇その他
応募者の多い人気企業や、業界によっては特徴的な質問もあるようです。
①最近興味をもったニュースはなんですか? 理由と合わせて教えてください。
②当社の製品を一つ上げ、それをPRしてください。
③あなたをもの(動物)に例えるとなんですか?
④あなたが最も輝いていた時を自由に表現してください。
【回答のポイント】柔軟な発想をもって、回答ができるかを確認しています。
◆自己PR
自身の経験からアピールできることを、1、2つ選んで書きます。また、その会社に求められているスキルや人物像を調べて、マッチするアピールポイントかどうかを必ず確認しましょう。
見出しをつけたり、アピールポイントを【】でくくったり、相手にわかりやすく伝える工夫をします。記入するところの大きさにもよりますが、5行程度は書けるようにしておきましょう。
〇書き方の例
【上下をつなぐリーダーシップ】(①)
私は、○○が得意です。(②)
なぜなら***で、***だからです。(③)
大学2年生の時、○○サークルで幹事を務めました。そのとき***という問題があり、私は、***のために***を行いました。(④)
結果、その年に***を得ることができました。(⑤)
私の○○が得意なところは、貴社の△△の仕事にも活かすことができます。(⑥)
〇ポイント
①見出し
②最初に結論
③その理由
④具体的な経験
《課題の発見》《課題解決のために行動したこと》《その成果》の3つを押さえて書くと伝わりやすい。
⑤結果(成果)
⑥まとめ(強みをもう一度伝える)
◆志望動機
下記の3点を意識して5~6行程度でまとめられるようにしましょう。
①なぜその業界か(職種が決まっている場合は、なぜその職種か)
②なぜ、競合他社ではなくその会社か
③入社後、自分のどういうところが活かせるのか
ダラダラとした文章にならないよう、「ひとつは、~~~」「もうひとつは、~~~」などと読みやすい長さでまとめましょう。
また、「企業理念に共感し貴社を志望します。」や「貴社のサービスに感銘を受け志望いたしました。」などは、どこの会社でも同じように使える志望動機と企業に思われてしまう可能性があります。そのため「なぜ」「どの部分に」を具体的に記入します。
情報収集をするポイントは、会社の採用サイトや就活サイトだけでなく、新聞やニュース、OB/OG訪問などを活用することです。また、商品やサービスを体験できるときは、応募する前に使ってみたり、サービスを受けてみたりして、志望動機を書くとなお良いです。
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2回にわたって、就職活動において最初のハードルとなる履歴書・エントリーシートの書き方のポイントをまとめました。今後は、応募先企業の選定、書類作成や面接などすべての基本となる「自己分析」の進め方や、自身の「強み」「弱み」の考え方などについて具体的にご紹介していきます。
執筆:宮本麻由(Living in Peace)