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2023年4月末~5月にマイクロファイナンスプロジェクト(以下、MF-PJ)メンバー キョウと佐々木がカンボジアのマイクロファイナス機関(以下、MFI)を視察しました!
Living in Peace MF-PJでは過去にカンボジアでのファンドを組成した経験もあり、想いが深い国カンボジア。今回は組成したファンドとは異なるMFIですが、カンボジアのマイクロファイナンスの現状を訪問記として視察編、番外編でお届けいたします。
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カンボジアへの旅の始まりは
2023年4月30日、久しぶりの海外MFIへの訪問のため羽田へ。旅の始まりは
“まさか” の遭遇からスタート。。。
そのまさかというのは、羽田空港の出国ゲートでLIP創設者の慎さんから声を掛けられるハプニング。旅に出ようと思うと慎さんと出会うこの奇遇・・・。
「頑張ってね!」と慎さんに応援されてからの旅のスタートとなりました。
首都プノンペンの発展
今回カンボジアは2015年以来の訪問となります。首都プノンペンは町がすごく綺麗になっていて、この数年の間に開発が進んでいることを実感しました。
一方、これから訪問予定の「ウドン」のような地方に行きますと、そこはまだまだ古い街並みが残り人々の生活はあまり変わってないような様子です。
魚を焼いたり、カメも焼いていたり・・・とその地域の人の生活が良くわかる光景も見れました。
海外で活動するLIPメンバーを訪ねて
カンボジアでの最初の訪問地は、現地で活動するLIPメンバー小林さんの勤務先であるジャパンハートが運営する病院です。小林さんはカンボジアから、LIPの理事として活動されています!そんな小林さんに会うべく、車で一時間半ほどかけて小児がんの子供たちが入院している病院に行ってまいりました。
病院がある場所は、カンボジア中部カンダル州の都市「ウドン(Udong)」です。
到着後、久しぶりにLIPメンバー小林さんと再会。早速、病院内を案内していただきました。
小児がんの患者さんが多いこちらの施設では、子供たちは抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けている子も多く見かけました。
子供たちや日本人の先生方にもお会いさせて頂き、現地で尽力されている皆様にとても感銘をうけました。日本とは全く医療事情が違う中で、多くの困難と直面ながら日々子供たちの未来のために活動している方々が多くいることを改めて認識し、同時にカンボジアで頑張りながらLIPの活動もされている小林さんにも改めて元気をもらいました!
カンボジアのマイクロファイナンス機関 JC FINANCEを訪問
さて、今回のカンボジアMFI機関 JC FINANCEの訪問は、ミャンマーでのファンドでもお世話になっております加藤侑子さんの協力もあり実現しました。
JC FINANCEは、カンボジアの地方農家を支援しており、トラクターやコンバインなど農業事業がその主な対象となります。加藤さんがJC FINANCEのボードメンバーに参画したこともあり今回の訪問のご縁ができました。
宿泊ホテルの近くに本部があるということで訪問し、経理や会計、ガバナンスの担当者を中心にお話を聞かせてもらうことができました。
お話の内容は秘匿事項も含まれているので詳しくはお伝え出来ないのですが、経営課題や現在のカンボジアにおけるマイクロファイナンスの現状について色々と教えていただきました。
お話をお伺いした経理スタッフの方はなんとMAXIMA出身の方でした。五常・アンド・カンパニーで財務エクセルの研修を受けた経験もあるようで、日本でのつながりに話が盛り上がりました!
4日目!シェムリアップへ移動!
4日目は債権者のもとへ同行させてもらうため飛行機でシェムリアップへ。ここでMJIの加藤侑子さんと合流!
侑子さんはなんと、インドでの結婚式に出席し、そこから急いでカンボジアに向かい合流してくれました。(もちろん格好は結婚式に出席した姿のドレッシーなまま・・・)
シェムリアップに到着してからは、さらに車で約3時間かけてバッタンバンという小さめの町に行きました。
カンボジアの苦しい状況 ~債権回収に同行~
さて、5日目は債権回収に同行させていただきました。Go proが落ちるくらいの暑い日で
37~38℃くらいはあったと思います。
一軒目はこの地域に貸し出している農家さんを訪ねました。
おばあさんがいらっしゃったのですが、お父さん、お母さんは出稼ぎに行ってるということで不在でした。JC FINANCEのスタッフの方がご家族に事情を色々と聞いていました。
事前情報としてカンボジアでは、払えないくらいの債務を抱えそのために出稼ぎしている人が多いと聞いていました。
特にJC FINANCEはマイクロファイナンスと違って農機具ローンなので金額が大きく、家にある財を売って払えるような状況ではないという様子がよくわかりました。
貸し出すときに、その方々が「本当にきちんと返済できるか」という見極めがとても大事であることを改めて認識しました。
2件目はまだ小さな赤ちゃんを抱えたお母さんでした。その方は学校の先生だったようです。
旦那さんの仕事が砂運びで、そのためにトラックを買ったようですが返済できなくなったそうです。素材や燃料の値上がりなど様々な要因があるようですが、お母さんはとても苦労しているご様子でした。
途中からお母さんが泣き出してしまい、私たちもとても辛くなって、マイクロファイナンスであっても返済は必要で、債権回収という業務の難しさとその背景にある大きな課題を改めて認識しました。
視察に同行して・・・
LIP佐々木:今回の訪問を通じて、改めてマイクロファイナンス機関の組織の力の重要性を学ぶきっかけになりました。今後彼らと一緒に事業の改善を進めていく予定ですが、その第一歩として環境の理解が進んだと思います。
LIPの目指す「すべての人にチャンスを」を実現するため、どのようなサポートができるかを決めたいと思います。
さて、次回は旅の「番外編」をお届けいたします!
※Living in Peace マイクロファイナンスプロジェクトでは、金融アクセスの向上を通じた機会の平等と貧困削減に取り組んでおります。(マイクロファイナンスPJ概要はこちら)