1月23日(日)、今年最初のキャリアセッションプログラム「おしごとリップ」を開催しました。
2021年度7回目のテーマは「お金の教育」です。今回は14名の子どもたちが参加してくれました。
児童養護施設で暮らす子どもたちは、原則として高校卒業と同時に施設から退所しなければなりません。そのため、進学するにあたって生活費や卒業までの学費を自身で工面する必要があり、早い段階で収支バランスを身に着けることや、お金に関する知識を身に着けることが重要になってきます。
また、2022年4月以降、18歳への成人年齢引き下げが敢行され、18歳から簡単に借金ができてしまう時代がすぐそこまで迫ってきています。
今回は、こうした課題感をもとに「お金の教育」の普及を目指しているLIP内のメンバーを講師に迎え、講義を行いました。
講義は、「お金のバランスを考よう」「良い借金・悪い借金の話」「お金にまつわる情報を見極めよう」の3つをテーマに実施。
「お金のバランスを考えよう」のパートでは、子どもたちに収入と支出のバランス感覚を身に着けてもらうことを目的として、入ってくるお金(収入)と出ていくお金(消費・投資・浪費)についての講義したのち、「文化祭の模擬店の収支バランスを考えよう」をテーマにグループワークを行ってもらいました。
次に、「良い借金・悪い借金の話」のパートでは、講義ののち、リボ払いの金利で利子を計算するワークなどを実施。安易な気持ちで借金をすると大変なことになるということを実感してもらいました(本パートの最後には、2022年4月からの18歳への成人年齢引き下げについて紹介し、18歳から簡単に借金ができてしまう時代だからこそ気をつけようという注意喚起も行いました)。
最後の「お金にまつわる情報を見極めよう」のパートでは、子どもたちがお金にまつわるトラブルに巻き込まれないようにするため、お金に関するトラブル事例を紹介した上で、情報の見極め方についての講義を実施。
その後のグループワークでは、実際にあった「投資詐欺」の事例をベースとして、提示されたシチュエーション内の登場人物の言動に対して怪しい点や疑問に思う点を洗い出してもらい、騙されないための対策について考えてもらいました。
今回のおしごとリップは子どもたちにとって、普段学ぶ機会が少ない「お金について本当に役立つこと」を考える良い機会になったかと思います。実際、参加した子どもたちからは以下のような感想をいただきました。
◆参加した子どもたちの声
- 4月から18歳が成人年齢になることを知らなかった。これから一人暮らしする上でお金に向き合わないといけないので勉強になった。(高3)
- お金の話は自分にとっても課題な所で、今日聞いたことは全部学びになった。(高2)
- 普段学べないことが学べてよかった。借金や悪い話の怖さを知れてよかった。(中3)
- 仕事(アルバイトや副業)を決めるときに勧められたものを簡単に受け入れるのではなく、よく考えてから判断した方が良いと思った。(中1)
今回の講義や子どもたちの反応を通して、社会的養護下にある子どもたちに対する「お金」に関するプログラムを実施することには大きな意義があることを改めて実感しました。
今後も子どもたちの未来に繋がる貴重な機会を創出して参りたいと思いますので、引き続き、ご支援・ご指導のほど、どうぞよろしくお願い致します。