キャリアセッション事業では、より多くの子どもたちにキャリアプログラムの提供を行うことを目指し、従来から東京を拠点に実施している「おしごとリップ」を継続しながら、プログラムの横展開に取り組んでいます。
横展開の方法として、次の2つの軸で取り組みを進めています。
1つ目は、外部の団体様向けにプログラムのマニュアルを展開し、主催者を増やすという取り組み。
2つ目は、Living in Peace(以下、LIP)の関西拠点を通じた、関西の児童養護施設向けプログラムの展開です。
2021年から本格的に検討を始めた2つの取り組みですが、今回は後者について、今年の4月から新たにプログラムのスタートに踏み切ることができましたので、ご報告致します。
今回縁あってプログラムをスタートすることになったのは、大阪府内の児童養護施設生駒学園。施設側としても初めての取り組みであり、キャリア支援に対する課題感の共有や、どういった運営であればプログラムを実施できるかどうかなど、職員さんと何度も打ち合わせを行い、LIPの想いに共感していただく形で、実施の運びとなりました。
4月10日には、子どもたちと職員さん向けの説明会を実施。年間を通して学ぶ7つの業界の説明や、実際のプログラムを体験してもらう「ミニおしごとリップ」を実施し、「おしごとリップ」の内容について説明いたしました。
当日は、16名の子どもたちが説明会に参加。とても真剣に説明を聞き、ミニワークにも和気あいあいと取り組んでくれる姿が、とても印象的でした。
説明会後には、定員として定めていた6名マックスの子どもたち参加希望をいただき、5月から新たにプログラムのスタートを切ることに!
より多くの子どもたちに「おしごとリップ」の機会を提供する体制をスタートできたことに、大きな喜びを感じるとともに、応援して下さる寄付者の方々に感謝の念を改めて感じております。
また、東京で継続実施している「おしごとリップ」も4月から新しい年度になるため、4月17日に説明会を実施しました。
参加施設は、従来から参加している筑波愛児園、クリスマス・ヴィレッジの2施設です。
関西のプログラムは、施設側の希望もあり、現地開催形式で進めていきますが、東京のおしごとリップは、今年もオンラインでの実施でのプログラム提供となります。
今年の説明会には、2施設合わせて、20名の中高生が参加してくれました。
おしごとリップは、長期的に参加することを推奨しているため、毎年参加してくれる子どももいますが、今年が初めてという子どもたちも、多く参加してくれました。
説明会は「おしごとリップの紹介」と「ミニおしごとリップ」の二本立てで行いました。
特に子どもたちが積極的に取り組んでくれた、「ミニおしごとリップ」について、少しだけ様子をご紹介します。
「ミニおしごとリップ」では人工衛星の開発に携わるLIPメンバーが講師となり、宇宙業界をテーマに短縮版のおしごとリップを行いました。
講義パートでは、製品開発という仕事内容を図工や算数など学校の授業科目に例えて紹介し、宇宙という馴染みのないテーマについても興味を持ってもらえた様子が十分に伺えました。
また「宇宙開発を体験してみよう」というワークでは、初めて参加した子どもが多かったにもかかわらず、積極的に手を上げて発信してくれました。
説明会の最後に、今年初めて参加する子どもたちに向けて、既に昨年プログラムに参加してくれた子どもから次のようなメッセージをもらいました。
・おしごとリップでは、学校では聞けない話をたくさん聞くことができた
・休憩時間にもお話ができるのでとても楽しい
・1年間おしごとリップをやってみて、少しだけ発表などで自分の意見や考えを話すことができるようになった
「おしごとリップ」を通して得られたポジティブな感想や変化を、子どもたちの生の声の中に聞くことができたことを、とても嬉しく感じると同時に、より多くの子どもたちにプログラムを提供できる体制をつくるためにも、冒頭でご報告した横展開の重要性を改めて感じることとなりました。
今年度もおしごとリップを通して子どもたちが様々なお仕事の世界を冒険できるよう、引き続き施設の方々との連携も強化し、子どもたちにとってより新しい機会の創出となるよう努めてまいります。
今後ともご支援・ご指導のほどよろしくお願いいたします。