「おでかけリップ」とは、学校外での体験が少ない傾向にある、外国ルーツの子どもたちや母子生活支援施設出身の子どもたちに、社会と繋がるさまざまな体験プログラムを提供する取り組みです。
2024年度(2024年秋~2025年夏)第2回目となる今回は、1月25日(土)に神奈川県小田原市に行ってきました!
今回のおでかけのテーマは以下の2つです。
- かまぼことちくわの手作り体験を通して、身近な食べ物がどうやって作られているか知る
- 小田原城の見学を通して、小田原の歴史や戦国時代の暮らしについて学ぶ

当日は新宿駅で集合した後、小田急ロマンスカーを利用して小田原まで行きました。ロマンスカーでは、言葉遊びのゲーム「ワードウルフ」をしたり、漫画を読んだりして過ごしました。
1時間程であっという間に小田原に到着。箱根登山鉄道で風祭駅に移動し、「鈴廣かまぼこ博物館」に向かいました。
今回は小田原の名産品であるかまぼことちくわの手作り体験に参加しました。参加したプログラムは以下のものです。
かまぼこ・ちくわ手づくり体験教室
まずはかまぼこ作り。初めに鈴廣の職人さんにより、魚のすり身の塊を練って板につけるまでの一連の流れを見せていただきました。長年の修行を積まれた職人さんの手によりあっという間にかまぼこが完成。拍手が沸き起こります。
続いて各工程の説明を受けながら、それぞれ自身のかまぼこを作っていきます。板にきれいにすり身を伸ばすのが難しく、苦戦しながらも自身のかまぼこを完成させていました。


続いてちくわ作り。こちらも職人さんの実演を見てから各自作っていきました。参加した子どもの一人は、ちくわをウサギの形にするなど、思い思いの方法で進めていました。専用の道具を使ってちくわの棒にすり身を均等に巻きつけるのは大人でも難しく、子どもたちは終始集中して取り組んでいました。

体験終了後は、かまぼこの里にて昼食です。すず天丼、おでん、サラダ、デザートをいただきました。今回初めて顔を合わせる子どももいましたが、学校の話などで盛り上がりすぐに打ち解けていたようです。初対面でもすぐに仲良くなれる子どもたちのコミュニケーション能力にはいつも驚かされます。

昼食後は、かまぼこ博物館の展示を見学しました。今回は事前に以下のようなクイズを用意し、その答えを探しながら見学してもらいました。

かまぼこの歴史が分かる展示では、かまぼこが900年前から食べられていることや、千利休やペリー、徳川慶喜など歴史上の人物にも親しまれていたことなどを学びました。

かまぼこの調理工程に関する展示では、魚のすり身を大きな棒を使って練る工程を擬似体験しました。棒を回して練っていくと、だんだんすり身が弾力を持つようになり棒を回すのに力が必要になってきます。終盤ではかなり力を入れないとうまく練れなくなり、かまぼこの弾力がこの練る工程によって生まれていることを知ることができました。

途中で自分で作ったちくわが焼き上がったので、それぞれ焼き立てをいただきました。子どもたちは「柔らかくて美味しい!」と声をあげていました。かまぼこは各自持ち帰って家族と食べてもらいました。

かまぼこ博物館の見学後は、小田原城に向かいました。小田原城に到着すると、「近くで見ると結構迫力ある!」、「お城の上にはあがれるの?」と興味深々の様子。

天守閣の中の博物館を再びクイズに答えながら見学します。小田原城は北条氏によって建てられ、北条氏は天下統一を目指す豊臣秀吉によって滅ぼされたことや、当時の暮らしを展示とビデオシアターで学びました。
歴史の授業で習った内容も多かったのか、子どもたちは展示に出てくる人名や歴史上の出来事を見て「これ習ったやつだ!」と声をあげていました。
天守閣の上からは小田原の街を一望。双眼鏡を使って東京湾の波や街並みを観察している子どももいました。

帰りのロマンスカーの中では、子どもたちに日記を書いてもらいました。以下は日記の抜粋です。
・小田原城とかまぼこの歴史を知れました。こんど行くときは海にも行きたいです。
・いちばん心に残ったのは、かまぼこ・ちくわ作りです。かまぼこは思ってたより難しく、ちくわは思ってたより簡単でした。
・小田原城に行ったときとても大きくはく力がありました。一番上はとても景色がよく最高でした。
日記を書くことで振り返りをするだけでなく、子どもたちの成長も確かめることができます。それぞれ楽しい時間を過ごせたようで大変嬉しく感じました。
今期のおでかけリップは、第3回、第4回と続きます。今後も皆さまに優しく見守っていただき、ご支援賜れますと幸いです。