24年度 第5回おしごとリップ「中間面談」開催

私たちLiving in Peaceは、児童養護施設で生活する中学生から高校生の子どもたちに、世の中の様々な仕事を知ってもらう機会として、キャリア教育「おしごとリップ」を行っています。

おしごとリップは1年間を1タームとしてプログラムを設計しており、通常回は将来に向けて仕事を知るための「キャリアセッション」を実施していますが、中間と最終回には”こどもたち自身”にフォーカスを当てる「面談」を実施しています。

面談はこども1人:大人2人で実施し、30~40分かけてこどもたちに考えていることや自分自身のことを話してもらいます。

目的としては、以下が挙げられます。

  • 普段の様子や好きなものの話を聞く中で、こどもたちとの関係性を築く
  • 将来に向けて考えていることを話してもらい、自立にむけた気持ちやプログラムの効果を確認する
  • こどもたちからおしごとリップのプログラムに対しての感想や意見を拾う

今回は、こどもたちが将来において選択をしていくために、以下の3つで構成しました。

①面談 :おしごとリップ(5~8月)の感想や自分自身のこと、将来のことを話す
②しくじり講義 :LIPメンバーが経験したしくじりとそこから学んだことを伝える講義
③自己診断 :質問に答えて診断をするツールを使ったワーク

ここから、9月のおしごとリップとして関西・関東それぞれで実施した内容をご紹介させていただきます。

関西おしごとリップ

2024年度の第5回「おしごとリップ」を、2024年9月8日(日)に生駒学園で開催致しました。

9月の講義は「しくじり講義」のタイトルのもと、LIPメンバーの森山さんに講師をお願いし、学生時代から社会人、夫の海外転勤に伴うアメリカ生活等についてのしくじりや経験談を子どもたちに分かりやすく話していただきました。

森山さんは自身の転校やアメリカ移住の体験から「人生は選択の連続、自分の選択を信じて「前向きに」取り組もう」と語りかけ、子どもたちに正解はないので悩むのは当然、悩んだときは捉え方を変えてみようと、心温まるメッセージを贈ってくださいました。

また今回は「自分を知る」ための講義とワークをLIPメンバーの谷口さんに担当していただき、「自分の価値観とはどういうものか」を子ども達と一緒に考えました。

診断シートを使いながら、自分が潜在的に大切にしている価値観を知り、自分を知ることだけではなく、他人から見えている部分を話し合うことにも挑戦しました。自分では意識していない具体的な行動について、友人から言葉にして伝えられることで、新たな一面を認識すると同時に、照れながらも嬉しそうな子どもたちの笑顔が見られました。

おしごとリップでは9月と2月に個人面談を実施しています。今回もおしごとリップを通しての気づきや感想、将来についてのことを一人ひとりと向き合い面談しました。

面談では、夏休み中のことや最近興味のあることなど、子どもたちの話したいことを中心に話してもらいました。

子どもたちからは、「おしごとリップ」について、はじめの頃は何をするのか不安に感じていたけれど、今は参加することが楽しみになっている、人と話す事が苦手じゃなくなった、まだ参加したことがない子たちには、「来年は絶対に参加したほうがいい」と宣伝してくれている、と話してくれました。

将来の目標がはっきりしている子もいますが、まだ悩んでいたり目標がない子もいます。おしごとリップ後半も引き続き、社会への興味が広がるような講義やワークで楽しく参加していただけるような企画を作っていきたいと思います。

<子どもたちからの感想> ※一部抜粋

・自分の事を知ることが少ないので、今回のような時間を大事にしようと思った。

・とても貴重な面談で自分についてもっと考えようと思った。

・自分らしくと言われても難しく悩むけど、自分と上手く付き合っていこうと思った。

今後も「おしごとリップ」を通して、子どもたちが様々なお仕事の世界を冒険できるよう、努めてまいりますので、引き続きのご支援・ご指導のほどよろしくお願い致します。

東京おしごとリップ

東京は2024年9月22日(日)におしごとリップを実施しました。
面談では、こどもたちそれぞれの興味・関心や話したい事に合わせてじっくりと会話をしました。

自分の好きなことや学校で頑張っていることを切り口に、進学や就職に向けて考えていることや悩んでいること・難しいと考えていることなどを話してくれました。

実際に面談の中では、初参加のこどもからの「チームで取り組むのが苦手だったけど、おしごとリップでグループワークをやってみると意外と楽しかった!10月以降はもっと協調しながらできるようになりたい!」と言った感想や、「いろんなお仕事の話を聞けて楽しい!もっと積極的に手を挙げて質問するようにしたい!」といった意気込みを聞くことが出来ました。

しくじり講義では、LIPメンバーが自分に合った仕事を探す中での”しくじり”を講義形式で話してくれました。

LIPメンバーが講師ということもあり、就職活動や転職に関わる経験に対して「それはだめだよ!」「真面目にやったほうが良いよ!」とこどもたちも反応しながら聞いていました。

こどもたちの感想にも「気を付けようと思った」「反面教師にしたいと思いました」「しっかりと自己分析しようと思った」などと書かれており、今回の”しくじり”エピソードを通じて働く環境について考えるきっかけになっていればと思っています。

ワークでは自分自身を知るための方法として、10問程度の質問に答えた結果でタイプを示してくれる自己診断ツールを2種類実施しました。

診断結果の説明から自分に合っていると思ったところを抜き出す際には、こどもたちも「全然あってない」「これはほぼ合っている」などと言いながら、”自分から見た自分”を言語化出来ていました。

また2種類の診断結果が正反対であったり、同じ診断をもう一度やってみると診断結果が違ったりと、診断ツールの結果を参考として捉えることも理解してもらえたかと思っております。

10月からはおしごとリップの後半がスタートします。

今回は前半の振り返りと併せて”自分のこと”や”働くこと”についてこどもたちと話しました。

将来の目標が明確な子もいればまだこれから考えていく子もいる中で、こどもたちの将来の選択に少しでもプラスになるようこれからのおしごとリップのプログラムも作っていければと思います。

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私たちLiving in Peaceは、子どもたちのキャリアに対する意識向上に少しでも貢献できるよう、キャリア教育「おしごとリップ」のプログラムを心を込めて届けて参ります。

今後とも、皆さまのご支援を賜りますようどうぞよろしくお願いいたします。

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