「おでかけリップ」とは、子どもたちが自分で進みたい未来についてのイメージを持つことができるように、体験プログラムを提供する取り組みです。
第6回の今回は、2024年7月13日(土)にそなエリア東京に行ってきました。日本は地震が多いため、親子で緊急時の備えを考えるきっかけになればという思いで、そなエリア東京を選びました。
そなエリア東京は、地震災害後の支援が少ない時間を生き抜く知恵を学ぶ「東京直下72hTOUR」を中心とした防災体験学習施設です。
まずはツアーについての説明を受け、一人一台支給されたタブレットを持って、駅ビルを想定したエレベーターに乗りました。エレベーターの中で震度7の地震が発生。床が揺れて、エレベーターが緊急停止。子どもたちは突然真っ暗になったことに驚きながらも、停電した薄暗い従業員通路を避難誘導灯と非常放送に従って出口を目指しました。
駅ビルの外に無事脱出すると、目の前に首都直下地震が起きた直後の町が広がっていました。地震の雰囲気をリアルに感じ取ることができます。
地震が発生したときの約束事「おかしもち」(押さない・かけない・しゃべらない・戻らない・近づかない)の説明を受けた後、各自タブレットのクイズに挑戦しました。
クイズでは家具の転倒防止対策をした部屋と何も対策をしていない部屋を見比べて、どのような違いがあるのか答えたり、消火器の使い方について学んだりしました。子どもたちは集中してクイズに挑戦し、中には全問正解して喜んでいる子もいました。
クイズの後は、アニメ『東京マグニチュード8.0』を鑑賞しました。このアニメは2009年にフジテレビにて放送されていたものを18分に再構成したもので、東京で起こった大地震の中で、兄妹が家族と再会するために困難を乗り越えて奮闘する姿を描いた物語です。災害時のリアルな描写を通じて、地震の恐ろしさを再認識するとともに、災害という極限状態の中で、人々がどのように助け合い成長していくかに焦点が当てられており、非常に考えさせられる内容でした。
アニメの鑑賞の後は、防災に関する展示を見て回りました。水や食料などの備蓄方法、簡易トイレの使い方、大判ハンカチを使ったけがの手当の仕方など、もしもの時に役立つ知識をパネルを見て学びました。参加した子どもの親御さんの一人は、「災害バッグは用意しなきゃいけないと思った」などと話しており、防災について考えるきっかけになったようです。
展示を見た後は、子どもたちに日記を書いてもらいました。以下は日記の抜粋です。
・もしも災害がおきたときにすごく使えそうな情報ばっかりでした。今日学んだことを一生いかしていきます。 ・いちばんたのしかったのはクイズです。 ・クイズをやりました。たのしかったです。えいがも面白かったです。 ・実さいにじしんがおきたことをたいけんして見学しました。いろいろなことを学べて楽しかったです。
日記を書くことで振り返りをするだけでなく、子どもたちの成長も確かめることができます。
また、今回のおでかけリップは今年度最後であったため、子どもたちに今期のおでかけリップの写真を見せながら、一年を振り返るアンケートを書いてもらいました。「おでかけリップに参加したことで、自分の中で何か変わったことはありますか?」の問いに対しては以下の回答がありました。
・おでかけが好きじゃなかったけど、参加して好きになった。 ・ひとみしりがなくなった ・友達の大切さです。友達と遊ぶことはとても楽しくて幸せでした。このような体験を生かし、これからも頑張りたいです。 ・もっともっといろんなとこにいって、おとまりとかいろんなものたべたりとかしてみたいと思います。
おでかけリップを通して前向きな変化があった子どももいたようで、大変嬉しく思いました。
最後に記念品として、一人一人の名前が入ったおそろいの水筒をプレゼントしました。皆喜んでくれたようで楽しそうに写真を撮りあっていました。
今期のおでかけリップのプログラムは、全て終了しました。現在来期のおでかけリップの内容をメンバーで検討しています。子どもたちに書いてもらったアンケートも参考にして、より良いプログラムを実施できるよう取り組んでまいります。
今後も皆様には温かく見守っていただき、ご支援賜れますと幸いです。