Living in Peaceマイクロファイナンスプロジェクト(以下、LIP-MF)では昨年から、カンボジアのマイクロファイナンス機関(以下、MFI)へ訪問し、マイクロファイナンスを利用する現地の人々の状況を実際に見て調べ、働くスタッフとの交流を通してマイクロファイナンス全般の理解を深めています。
この2月にはコロナ渦にLIP-MFに参画した若いメンバー2人がカンボジアまで行ってきました!前回の的場編につづき、原の訪問記をお届けいたします!
※的場の訪問記はこちら→☆☆☆
はじめまして、LIPの原です。
普段は監査法人に勤めています。私は3年前大学生だった頃にLIPに入会しました。大学に通いながら、外部で勉強できるような活動がないか探していたところLIPに出会いました。LIPでは、ファンド管理グループと財務経理グループに所属し、投資家レポートの作成やLIP全体の経理業務を行っています。
普段はミャンマーのMFIスタッフの方や借りている顧客の方とは投資家レポートの作成を通じてメール等でやり取りしています。ただ、実際にお会いしたことはなく「どのように働いているのか」、「どのような環境にいるのか」、を知りたいと思い今回の視察に参加しました。
初めてのカンボジアは驚きがたくさん!
さて、今回の視察が私にとって初めてのカンボジア訪問となりました。
カンボジアで一番驚いたことはなんといっても交通事情です。空港に到着し、移動を開始するとすぐに“カンボジアは交通事故が多い”という理由がよくわかりました。
カンボジアの主な移動手段はオートバイや車になります。実際に今回訪問したJC Financeのスタッフの方の多くもオートバイで出社していました。
移動中、よく観察していますと特に都市部では車間距離を詰めて運転していましたし、少しでも車間距離をあければほかの車が入ってきます。私は空港からホテルまでトゥクトゥクという乗り物に乗って移動しましたが、私が乗っていたトゥクトゥクが割り込みしてきたオートバイにぶつかってしまいました!
一瞬焦ったのですが、ぶつかるのが当たり前なのかトゥクトゥクの運転手もオートバイの方も何事もなかったかのように運転を再開していました・・・・・。
また、夕食を食べている時も隣接する道路でオートバイが車にぶつかっていたりと交通事故?は日常茶飯事のようでした。
ほかに驚いたことと言えば、カンボジアのレストランは基本的にご飯のおかわりが自由なことでした。
米をスープでふやかしながら 食べるのがカンボジアのスタイルらしいです。JC Financeのスタッフの方に聞いたところ、昔、国全体が飢餓で苦しんだ背景があることから、どこへいっても米はたくさん出てくるとのことでした。
マイクロファイナンスを利用している方の生の声
今回、JC Financeのスタッフに同行させていただきタケオ州に暮らしているJC Financeの顧客にインタビューを行いました。
JC Financeがあるプノンペンからタケオ州には車で2時間ほどかかります。
JC Financeの顧客の家は、プノンペンからタケオ州に通じる大きな道から横道にそれた農村地帯にありました。そこは田園風景がとてもきれいな場所でした。
今回訪問した顧客は、ご夫婦と子供2人の4人家族で、奥さんからお話を伺いました。
話を聞いて一番感じたことは、家族全体でリスクヘッジをとてもしているということです。現在、こちらのご家族では、農家・他の人の畑を耕すことによって収入を得るトラクターサービス・農業に必要な商品を販売する雑貨屋のほかにも、人にお金を貸して利子を得るなど様々な仕事をしているとのことでした。
いづれかの事業に失敗したとしても何とか生活をしていけるように、時間の許す限り多くの事業を行っているそうです。
JC Financeからの借り入れは農業を行うにあたり必要な土地の購入資金として使用したとのことです。
インタビュー終了後に、JC Financeのスタッフの方から伺ったのですが、カンボジアでは新たな事業を行う際に日本のように貯金をして資金をためてから始めるのではなく、初めから必要な資金を借りて事業を始めるという人が多いそうです。
カンボジアのマイクロファイナンスで働く人たちとの交流を通して
顧客インタビューを終えた次の日は、カンボジアのMFIを訪問して現地スタッフとの意見交換や現在抱える課題についてディスカッションしました。
その際、MFIで働くのに必須とも言える財務スキルの状況についても伺いました。会計など得意な方もいれば、不得意な方もいてスタッフのレベル感は様々でした。
しかしながら、JC Finaceのスタッフの方はとても積極的な方が多い印象で、お互いにわからないところは教え合う文化があり、会計チームのメンバーが顧客とのコミュニケーションを担当するメンバーに会計のことをフォローしている場面がみられました。
~審査や顧客へのヒアリングについてディスカッションしました!~
会計スキルのヒアリングの際、自ら行っている業務の中の課題についてスタッフ内でディスカッションを始めており、自分たちが行っている仕事を改善しようという積極性を感じました。
こうしたヒアリングを通じて、マイクロファイナンス機関が抱えている財務面での課題についても学ぶことができました。
~一緒に実際のJC Financeの財務諸表を一緒に見てみました~
初めてのカンボジアMFI視察を終えて~
今回初めてJC Financeに訪問して顧客の方の話を伺い、「顧客がどのような目線でMFIを選んでいるのか」、「どういった目線で自分の事業を行っているのか」などに触れることができました。
今回の訪問で感じたことを踏まえ、今後の活動に取り組んでいきたいと思います。
(お世話になりました!)
※Living in Peace マイクロファイナンスプロジェクトでは、金融アクセスの向上を通じた機会の平等と貧困削減に取り組んでおります。(マイクロファイナンスPJ概要はこちら)