1月22日(日)今年最初の「おしごとリップ」を開催しました。今回は16名の子どもたちが参加してくれました。
2022年度9回目のテーマはお金の教育です。児童養護施設で暮らす子どもたちは、高校卒業と同時に施設からの退所を余儀なくされます。そのため、進学するにあたって生活費や卒業までの学費を自身で工面する必要があり、早い段階で収支バランスを身に着けることや、お金に関する知識を身に着けることが重要になってきます。
また、2022年4月以降、18歳への成人年齢引き下げが敢行されて、18歳から簡単に借金ができてしまう時代になってきました。今回は、この課題の解決に取り組んでいる、LIPのお金の教育チームを講師に迎え、講義を行いました。
講義は、「お金のバランスを考よう」、「良い借金・悪い借金の話」、「お金にまつわる情報を見極めよう」の3つをテーマに進めていきました。
まず、「お金のバランスについて考えよう」のパートでは、子どもたちに収入と支出のバランス感覚を身に着けてもらうことを目的として、入ってくるお金(収入)と出ていくお金(消費・投資・浪費)についての講義を実施しました。
個人ワークでは、「一人暮らしで1か月にかかる生活費の収支バランスを考えよう」をテーマに、生活するうえでどのようにお金を使うのかを考えてもらい、日常生活における収支のバランスの大切さを学びました。
次に、「良い借金・悪い借金の話」のパートでは、良い借金と悪い借金についての講義を実施し、リボ払いや借金に関するミニクイズを通して、安易な気持ちで借金をすると大変なことになるということを実感してもらいました。また、18歳への成人年齢の引き下げのお話をして、借金に気を付けるように注意喚起しました。最後に、最近増えてきている「ソフト闇金」のお話をして、身近なところにも注意が必要であることをお話ししました。
3つ目のテーマ、「お金にまつわる情報を見極めよう」のパートでは、子どもたちがお金にまつわるトラブルに巻き込まれないようにするため、お金に関するトラブル事例を紹介した上で、情報の見極め方についての講義を実施しました。
グループワークでは、実際にあった「投資詐欺」の事例をベースとして、提示されたシチュエーション内の登場人物の言動に対して怪しい点や疑問に思う点を洗い出してもらいました。挙げた疑問点をインターネットで調べてもらい、グループで話しあうことを通して、情報を収集して見極めることの大切さを経験してもらいました。
今回のおしごとリップは子どもたちにとって、普段学ぶ機会が少ない「お金について本当に役立つこと」を考える良い機会になったかと思います。
◆参加した子どもたちの声
- 将来にためているお金は大事にするためにも、何かあったときはLIPさんや施設の職員な どに相談するのが大切だなと感じました。
- 良い借金と悪い借金はしっかりわかるようにしたいと思った。
- お金は生活を豊かにするためのもので、使いすぎると利益がなくなる。将来にも影響す るので気をつけたいと思いました。
- お金にはトラブルがとてもあるというのがわかった。
今回の講義や子どもたち、施設職員からの反応を通して、「お金の教育」を早い段階から身に着けていくことの大切さを実感しました。また、お金の収支計算を継続して続けていくことで、お金のバランス感覚を身に着けるようにしていきたいです。
今後も子どもたちの未来に繋がる貴重な機会を創出して参りたいと思いますので、引き続き、ご支援・ご指導のほど、どうぞよろしくお願い致します。